電子出版と印税

| コメント(0)

こんな僕でも著書がいくつかあり、そのうち一冊は幸いなことに1万部売れればベストセラーと聞いたことがあるコンピュータ業界で8000部ぐらい売れているらしいです。その本がPDF形式でネット販売されることになったらしく、従来の契約書に加えてPDF販売に関する覚え書きを締結しなければならないのでよろしく!と書類が送られてきました。その覚え書きを簡単にまとめると、PDF販売される本の新しい定価と印税のパーセンテージが記されているだけ。なるほど。出版社によってこの手の扱いは異なるだろうから、一例として紹介してみますね。

対象となる本は「入門SNMP」。書籍版の定価が3570円の本です。これをPDFで販売すると2720円になるそうで。印税のパーセンテージは書籍版とPDF版では変更無し。読者の方にとっては約25%OFFでPDF版が買える計算ですね。対象となる本が1冊なので同じパーセンテージで全てのPDF版の定価が決められているのか、それとも同じ金額が書籍版の定価から引かれているのかはわかりませんが、まぁとりあえずこんな感じ。

うちの実家は本屋をやっていたので本屋の取り分がどのぐらいなのか知ってるんだけど、この定価だと本屋の取り分、問屋さんのの取り分、流通の取り分、印刷製本の取り分を考えると、出版社丸儲けだなぁとちょっと思ってしまうのは僕だけ?いやまぁ、僕はこの本で儲けようと思ってないので、100円で売っても1000円で売っても僕にとってはどうでも良いんだけど、多くの著者さんにとっては死活問題のこのテーマ。著者さんの立場で考えると、電子版の定価が下がるってことは印税収入がそのまま減るということ。それを出版社が一方的に決めて良いものかと。本の価値はPDF版でも書籍版でも同じはず、それに対する収入が定価や印税ベースで変化するのはおかしい気もする。もっとも、PDF版でも書籍版でも出版社が積算した経費がどのぐらいなのかは知るよしもないので、適切な定価ってのは出版社にしか決められないんだけどね。読者さんの立場にとって考えてみると、PDF版の定価は出版社の取り分と著者さんの取り分の合計で決めて欲しいなぁと思ったりもするんだけど。そんなに単純な話でもないんだろうな。PDF版のみの販売であれば、もう少しシンプルに話を進められそうだけど、書籍版との併売ってことであれば、書籍版が売れなくなるリスク、つまり在庫を抱えるリスクを考えると、値段付けもそんなに単純なはなしじゃなくなる。

今は本当に過渡期なんだろうなぁ。数多くのステークホルダーが手探りで進むべき方向を見つけようとしている時代なんだろうね。僕自身がこうあるべきだ!っていう明確な方針や答えを持ってないけど(持ってたらビジネス起こせる!)、なんとなく無名な著者は価格決定力が弱く安く売るしか無くなり、有名な著者になると価格決定力を持ってくる、そんな感じなのかなと思ったり。それはブランド力って言い換えられるのかもしれないけど。例えば、村上春樹さんの新作を電子書籍のみで売る場合、1000円でも2000円でも買う人は買うでしょう?でも、僕の小説は100円でも買いたくない(苦笑)ライターにとってはブランド力をいかに向上させるかが著述業で成功するかしないかのポイントになるのかな。もっとも、出版に対する参入障壁は限りなく低くなっているので、とりあえず著者になってみる!っていう人が増えてくるだろうし、そんな中から良いものがたくさん生まれてくるのでしょう。競争があるからこそ良いものが出てくるんだろうから。それはそれで読者にとっては良い世の中なのかも?

と最後はまとまりもなく一人ブレインストーミングになってしまいましたが、少なくとも読者と作り手がハッピーになる仕組みに落ち着くと良いなと思います。

コメントする

アーカイブ

家庭向け節電サイト|電力使用状況お知らせブログパーツ
Powered by Movable Type 5.04
累計:
本日:
昨日:

2011年7月

          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31